入江・高砂貝塚(2022.06.22撮影)
 
洞爺湖町の内浦湾から500mほどの標高10から20mの台地上にある入江・高砂貝塚は、紀元前3,500年から紀元前800年位の縄文時代の、前期末から晩期中葉にかけての貝塚を伴う遺跡です。遺跡は、洞爺湖町の入江と500mほど北西に離れた高砂町に別れて存在します。
 
       
          
 
 



入江貝塚

遺跡は、竪穴住居のある居住域と土坑募のある墓域に分かれており、貝塚は段丘の縁や斜面にあります。
貝塚からはアサリ、イガイなどの貝類の他に、ニシン、マグロスズキなどの魚類の骨や、イルカやエゾシカなどの獣骨、そして漁に用いた釣り針や銛なども出土しています。
また、墓域から出土した人骨には調査して結果筋萎縮症に罹患した成人男性の骨も見つかっているとのことです。
 
   
  復元された土葺き屋根の竪穴住居
 
 
   
     
   
  案内板が建てられていますが英語です。世界遺産登録前にイコモスが調査にきたときに建てたものなのでしょうけど「Dumping Ground」となっており、直訳すると「ゴミ捨て場」となりますが、貝殻や土器そして人骨等が埋葬されていたところなんでしょう。
 
 
   
  手前の竪穴住居跡の中央に置かれた石のところは竈があったところかもしれません。
 
 
   
     
   
  入江・高砂貝塚館

入江貝塚と高砂貝塚に関するガイダンスセンターで、両貝塚から出土した土器や石器、動物の骨を用いた道具類のほかに人骨のレプリカ等も展示されており、体験学習もできるコーナーがあります。
 
 
   
  遺跡から出土した動物の骨を用いた装身具
 
 
   
  貝類を用いた装飾具
 
 
   
  動物の骨を用いた骨針(中央より左側)と刺突具(中央より右側)
 
 
 



入江貝塚から出土した成人男性の人骨のレプリカ
頭部、脊椎、胸部の骨には異常がないものの、手足の骨は明らかに異常な状態となっていて、筋萎縮状態であったことが明確で、総合的に判断すると急性灰白髄炎(ポリオ)に罹患していたと判断されています。



高砂貝塚より出土した胎児の人骨のレブリカ

なぜか上の写真と併せて撮影時に少し露出オーバー気味となっています
 
 
  高砂貝塚

高砂貝塚は1950年(昭和25年)に伊達高校の郷土研究部が発見し手調査を行い、その後札幌医科大学場調査し大規模な3か所の貝塚が発見されました。
貝塚は内浦湾に面した標高10mほどの所に位置し、貝塚と墓域が形成されていて、墓域は土坑墓と配石遺構があり、土器や石器、のほかにベンガラも見受けられたとのこと。また、抜歯の跡が見受けられる人骨や胎児骨を伴う妊婦の墓もありました。
貝塚にはタマキビ(小型の巻貝)、ホタテ、アサリなどの貝類やニシン、カレイ、マグロなどの魚類の骨、エゾシカ、イルカなどの哺乳類の骨も出土しています。
 
 
 
 
 
   
   
   
  中央部分は竪穴住居跡ですが、土で埋まってしまっています。
 
 
   
     
 



入江・高砂貝塚館の脇にある桜の並木道を見ていたら葉っぱに赤いイモムシのようなものがついていますそれも1本の木だけでなくかなりの桜の木についています。。
調べたらサクラハトサカフカシという「虫こぶ」だそうで、葉っぱの一部が変形してこのようになるようですけど、アブラムシの仲間のサクラコブアブラムシというのが悪さをしたことによるもののようです。
 
 
      
     
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