ケチケメート (Kecskemét)

カロチャの街から1時間半ほどでハンガリー中部にある街ケチケメートに到着です。
ここケチケメートは、5000年位前に人が定住した跡が残っており、紀元前1世紀ころにはマルタイ人が侵攻したといわれています。
街はハンガリーにおいて重要な通商路上に位置していたことから、14世紀の後半に、ラヨーシュ1世によって特権を与えられて繁栄し、オスマン帝国が侵攻した時代には近隣の街から住民が移動して来ていたとのことです。
街の周囲では多くの牛が放牧され、また、広大なブドウ栽培から採れるブドウからワイン造りが盛んでした。現在では、小麦、アプリコット、赤ピーマン、トマトなどが特産物となっています。
 
      
 
 


旧シナゴーグ

19世紀の後半に建てられたユダヤ人の集会所(教会)シナゴーグですが、1911に発生した地震により倒壊。その後、建て替えられるも第二次世界大戦でドイツ・ナチ軍により、ケチケメートにいたユダヤ人が1000人以上も犠牲になり、このシナゴーグはナチス親衛隊の厩舎となっていました。
大戦後の19747年に建物は修復され、現在は、技術会館(Tudomány és Művészetek Háza)として用いられており、会議室や展示ホール、そしてコンサート会場として利用されています。
 
     
   
  あいにくの曇り空、晴れていればもう少し建物の白さが生えるのですけど・・・・  
     
   
  チフラパロタ(Cifrapalota)
ラコーツィ通りを挟んで反対側にあるこの建物は、装飾宮殿あるいはケチケメートギャラリーと呼ばれていて、20世紀の初め192年に、アールヌーボー様式で建てられたもので、壁にある民族模様のモチーフやジョルナイ焼きで造られた屋根瓦が特徴的となっています。建物は現在博物館として利用されています。
 
     
   
     
   
     
 
旧シナゴーグの向かいには、記念公園があります。中央にはバルトークの尊敬("Tisztelet Bartóknak")と名付けられたモニュメントがあります。調べてみましたが、ハンガリー作曲家バルトーク・ベーラ・ヴィクトル・ヤーノシュ(Bartók Béla Viktor János )を記念するモニュメントのようです。
 
      
 
コシュート広場
 
     
 
 


古い教会(Nagytemplom)

大教会とも呼ばれる教会で、18世紀の末に後期バロック様式で建てられましたが、1819年の火災で鐘楼が焼失、1869年に再建されています。
訪れたときは修復中のようで、建物全体が工事用の機材で覆われていました。
      
 


コシュート・ラヨシュ像

コシュート広場の中央にあるこの像は、19世紀のハンガリーの政治家・革命家であったコシュート・ラヨシュ(Kossuth Lajos)の像です。
1848年にパリで発生した二月革命に呼応して、ウィーン体制の崩壊の原因となったヨーロッパ各地で発生した革命運動の際に、封建的特権、農奴制の廃止やウィーンからの独立を議会演説で主張、多くの支持を集めて、初代ハンガリー内閣では財務大臣を務めていました。
1849年ハプスブルク家の軍勢によりブダペストが崩壊したのちに、オスマン帝国に亡命し、ニューヨーク、ロンドンそしてイタリアと各地に移って、トリノでその生涯を終えています。
 
      
   
  改革派教会(Kecskeméti Református Egyházközség)
16世紀の半ばに最初の教会が創建されたものの、1678年の火災により焼失し、2年後にゴシック様式と後期ルネサンス様式の混合形式で再建されており、高さ53mの鐘楼は18世紀の後半にバロック様式で建てられました。
1911年7月に発生した地震の被害を受けていますが、その後修復が行われています。
 
      
 
 


市庁舎

コシュート広場に面して、1896年にアールヌーボー様式で建てられた市庁舎は、1911年の地震の被害を受けましたが、その後修復されていて、内部の大ホールにあるフレスコ画は「ハンガリアンアーヌルーボーの傑作」と呼ばれ、ハンガリーの市庁舎の中では最も美しい市庁舎といわれています。
 
      
   
  市庁舎全景
 
 
正面ファサードにあるカリヨンからは、毎時ハンガリーの作曲家コダーイ・ゾルターン(Kodály Zoltán)の曲が流れます。
 
     
 
 


聖ニコラス教会(Szent Miklós TemplomBarátok temploma)

13世紀にゴシック様式で創建された教会で、その後幾たびか改築が行われていました。
17世紀半ばの火災で焼失した後、18世紀半ばにバロック様式で再建されています。
      
 


コダーイ・ゾルターン記念碑(Kodály Zoltán Emlékmű)

ペーチ大聖堂のそばに銅像があった、作曲家であり、哲学者、教育家、民族音楽者であったコダーイ・ゾルターンは、ここケチケメートの生まれで、その記念として設けられているモニュメントです。

 
     
   
  ギムナジウム(Gimnázium)
調べてみると、ケチケメートで設立された最古の教育機関の一つで、設立は1714年とのこと。
 
     
  ケチケメートの旧市街、まだまだ見るところはあるようですが、わずか30分ほどで観光終了、郊外のホテルへ向かいます。  
     
   
  ホテルの夕食で出されたハンガリー名物の「グヤーシュ(gulyás)
パプリカ、タマネギ、牛肉などで作られたスープで、絶品でした。
 
     
     
     
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