門司港レトロ
   
北九州市の関門海峡に面する門司港は、明治22年(1889年)に国の特別輸出港(米・麦・麦粉・石炭・硫黄に限定した輸出港)に指定されてから、金融機関や商社、海運会社の支店が相次いで進出して外国航路の拠点および貿易港として発展しました。当時は関門海峡を横断する橋やトンネルがなかった時代であり、北九州の玄関口としての役割を担っていましたが、昭和17年(1942年)に関門鉄道トンネルができ、門司を通ることなく本州と行き来できるようになってから、急速に衰退してゆきました。

昭和63年(1988年)に門司港駅舎が国の重要文化財に指定されてから、同駅周辺に残る外国貿易が盛んであった明治時代末期から大正時代に建てられた施設を中心に整備を行い平成7年(1995年)にオープンした観光施設が門司港レトロです。

右の写真は船溜まりの入口に建てられている門司港税関と門司港レトロハイマートという名称の31階建てのタワーマンションで、31階には展望フロアがあり一般客も観光可能となっている門司港レトロのランドマートとなっている建物です。
建設にあたっては門司港レトロ開業後の建設であり、裁判で決着をつけての建設となったようですけど、都市景観100選にも選ばれているこの地区にはそぐわない建物のように思いますけど、皆さんはいかが思いますか。
         
  船溜まり
門司港レトロの中心部で、写真の左側には「海峡プラザ」と名付けられた観光客向け複合商業施設があり、旧門司三井倶楽部、北九州市旧大阪商船などが正面に望めます。
 
     
  北九州市門司税関
明治45年(1912年)に2年前に焼失した庁舎の2代目として建てられ、昭和2年(1927年)に3代目の庁舎が西海岸わきに建てられるまで使用されていました。その後民間に払い下げられ、倉庫として利用されていました。
門司港レトロ開業にあたっては、北九州市が取得して全体的に修復を行いレトロオープンとともに、税関展示コーナー、喫茶室、展望室などに利用されています。
なお建物は、平成19年(2007年)に近代化産業遺産として認定されています。
 
     
 
旧大阪商船(現 商船三井)の門司支店として大正6年(1917年)に建設された八角形の塔が特徴の赤煉瓦造りの建物です。建設当時は海に面していたことから専用桟橋があって直接乗船できたとのことです。平成11年(1999年)には国の登録有形文化財に、平成19年(2007年)に近代化産業遺産として認定されています。
 
     
  旧三井物産門司支店
昭和12年(1937年)に三井物産の門司支店として建設され、建設当時は「アメリカ式高層オフィスビル」として当時では九州一とも言われていました。
第二次世界大戦後の財閥解体により日本国有鉄道に売却されて、国鉄分割化と民営化によりJR九州北九州本社とJR貨物が利用していましたが、JR九州北九州本社が福岡本社と統合することにより解体するとの話が浮上しましたが、市がこれを他の物件と等価交換する形で平成17年(2005年)に取得、現在はアートギャラリーや音楽ホールおよび門司港歴史資料室として利用されています。
 
     
  旧門司三井倶楽部
大正10年(1921年)に三井物産門司支店の社交クラブとして木造2階建てで建てられたもので、接客用の洋館と和風の付属屋・倉庫があります。戦後には国鉄の所有となり「門鉄会館」として利用され、昭和62(1987年)年には国鉄清算事業団へ、そして北九州市に無償譲渡されています。
建築の翌年にはアインシュタインが宿泊した部屋が2階にあって、その部屋が当時の状態で「アインシュタインメモリアルルーム」として展示されており、また、文字出身の作家林芙美子に因んで林芙美子資料室も置かれています。
建物は、平成2年(1990年)に重要文化財に指定され、平成19年(2007年)には近代化産業遺産(北九州炭鉱 - 筑豊炭田からの石炭輸送・貿易関連遺産)に認定されています。
 
     
ブルーウィングもじ
平成5年(1993年)に第一船溜まりに造られた全国で唯一の歩行者専用の跳ね橋で、デートスポットとして人気の場所となっています。橋は全長104mあって、毎日6回船の航行のために約20分開かれており、船が通るときには長さ24mの親橋と長さ14mの小橋が、水面と60度の角度まで跳ねあがります。全開、全閉にかかる時間はおよそ4分間となっています。
 
     
   
     
  国際友好記念図書館
平成7年(1995年)に中国大連市との友好都市締結15周年を記念して建てられたもので、かつて同市にあった、ロシア帝国が建設した東清鉄道汽船会社事務所の複製建築で、1階がレストラン、2階が中国・東アジア関係書籍の図書館、3階が旧満州関連の資料室となっています。
 
     
  旧岩田屋酒店
明治32年(1899年)からこの地で酒店を営んでいた岩田屋酒店が、大正11年(1922年)に建てられた木造2階建ての店舗兼家屋で、土蔵や防火壁に赤れんがを使っているのが特徴で、北九州市指定の文化財となっています。
お店はすでに閉店していますが、市民がボランティアで清掃を行い、コンサートなどを開いて保存に努めています。
 
   

この奥に旧門司港駅がありますが時間の都合で寄れずじまい、残念です。
  
 
     
     
     
     
     
       トップページに戻る