ヴィシェグラード
 
サラエボ空港を出発してから1度トイレ休憩をはさんで1時間40分ヴィシェグラードに到着です。ここヴィシェグラードはセルビアとの国境に近い町で、連邦国家であるボスニア・ヘルツェゴビナのうちのスルプスカ共和国に属している町です。町はドリナ川の右岸と支流のルザヴ川沿いに発展しており、ノーベル文学賞受賞者の作家イボ・アンドリッチの「ドリナの橋」の舞台となったところで、川にかかるソ
コルル・メフメト・パシャ橋が世界遺産に登録されたことから観光地として注目を浴びているところです。
 
        

ルザヴ川とヴィシェグラードの街並み
川は前方でドリナ川と合流します。左に見えるのは最近完成したアンドリッチグラードと名付けられた施設です。
 
   ヴィシェグラードの町並み
 
        
   
ドリナ川
ヨーロッパの川は水が結構濁っているところが多いですが、この川はとても澄んでおり、浅いところは川底が見える位です。川には釣り船が何艘か出ています。何が釣れるのでしょうか。
 
        
ソコルル・メフメト・パシャ橋
橋は16世紀末にオスマン帝国の大宰相であったソコルル・メフメト・パシャの名により、宮廷建築家だったミマール・スィナンが手がけた橋で長さは179m幅約6m、11の石組みのアーチから成っており、当時のオスマン帝国の建築水準の高さを例証する産業遺産として2007年に「ヴィシェグラードのソコルル・メフメト・パシャ橋」としてユネスコに世界遺産に登録されています。
ソコルル・メフメト・パシャはボスニアの生まれで10歳の時にイスタンブールにオスマン・トルコの強制徴二により連れていかれ、キリスト教からイスラム教に改宗させられ、その後スレイマン大帝付きの近衛兵となって昇進を重ね、この地に戻ってきたときに川を渡る住民が難渋しているを見て橋を架けることを命じたいわれています。
橋は建設以来、20世紀の2度の大戦で破壊され復旧されましたが、1992年に発生したボスニア・ヘルツェゴビナ紛争ではこの町がセルビアのウジツェとサラエボを結ぶ幹線道路に位置していたことからユーゴスラビア人民軍の砲撃にあい、挙句の果てに婦女子3000人以上がこの橋から突き落とされて亡くなるという「ヴィシェグラードの虐殺」と呼ばれる場所となりました。
橋は修復工事が行われていて、まだ一部残って工事中ですが、ちょうど我々がついた時は渡れる状態まで戻っており、団体で橋を渡るのは我々が初めてといっていました。
 
      

下流側から見た橋
 
上流側から見た橋
 
     
  橋の下にあるこの工事用の櫓が載った筏みたいのもの、橋が破壊されて向こう岸にわたれなかったときに渡し船のようにして用いていたものと現地ガイドは話していましたが、それにしてはちょっとお粗末な形をしていますね。(最も現在位置部修復中だったので工事用の櫓みたいなものが付け加えていたのかもしれませんが。)  
     

橋の上から見るヴェシグラードの町並み
 
     
   橋の中央にはメッカの方向を向いて造られたミフラブがあります。(中央下部の窪んだ所です。)       ミフラブの右側にあるこのプレートは1896年に起きた大洪水の際この位置まで水が上がったことを示すもので、ドリナ川は度々大洪水をおこす川とのことです。
 
   
     考えられた橋脚
左の上流側の橋脚はシャープエッジ構造で造られており、右側の下流側の橋脚は丸みを帯びています。船の舳先と船尾と同じ考えのようです。こうすれば上流側からの橋を押し流そうとする水の圧力を少なくすることができるからです。
 
   
  川は夏の間だけ観光船が出るようで近くには船着場が設けられており、これよりもう少し大きい観光船が舫われていました。  
     
  イボ・アンドリッチの肖像画
この建物は学校の体育館のようですが、幼少期をこの地で過ごし、この地を題材とした「ドリナの橋」を記していることから、町中を歩くとあちこちにこのような肖像画が描かれています。
 
     
アンドリッチグラード
ドリナ川とルザヴ川が合流する船の舳先のようなところに造られたこの施設、カンヌ国際映画祭のパルム・ドール賞を2度し世界3大映画祭のすべてを受賞したサラエヴォ出身の映画監督エミール・クストリッツァが立ち上げたテーマパークで中には市役所、学校、モスク、集会所、隊商宿やレストランが設けられており、つい最近オープンしたようです。 
 
     

メイン通り
 
隊商宿
 
     

モスク
  
イボ・アンドリッチ像
 
 
     
     
午後2時45分ヴィシェグラードを出発、今日の宿サラエボに向かいます。  
        
     
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