ペーチ(Pecs)

ヘーヴィーズのホテルを出発して約3時間、10時半にペーチの街に到着です。

ここペーチはハンガリーの南部にあり、古代ローマ帝国時代からの歴史がある街で、考古学上からは6000年前に定住の跡がある街です。4世紀の初頭にはキリスト教の重要な都市となっていたようで、初期のキリスト教徒の墓地が造られており、その遺跡は、2000年にユネスコの世界文化遺産に「ペーチ(ソピアナネ)の初期キリスト教墓所」として登録されています。
街は9世紀から10世紀にかけてマジャル人の支配下、16世紀の前半からはオスマン帝国の支配下となりましたが、17世紀後半にハプスブルク家によって解放され、18世紀に入ってから貿易や産業が活発となり、現在でも金属・機械・皮革などの産業が盛んなところです。
(※ ソピアネ〈〉とはケルト語で湿原を表しています)
 
   
 


ヘーヴィーズのホテルを出発し、ペーチに着きバスを降りたところにある民家の木製の門ですが、古いけど凝った彫刻が施されています。門の上には、歓迎の言葉らしき語句が彫られています。
 
 
   
 


15世紀に設けられたといわれる円形状の砦、バルバカン(Barbakan)


バルバカンはワルシャワやクラクフにあるのが有名ですが、ここハンガリーでもこのペーチだけでなくショプロンにもありました。
 
 
   
 


ペーチ大聖堂(Pécs Cathedral)

11世紀に創建された教会ですが、オスマントルコによって破壊されており、現在のものは19世紀末にロマネスク様式で建てられたものです。大聖堂の周囲にある4本の鐘楼が特徴的です。
右の写真の中央には、19世紀に司教であったセーペッシ・イグナーツ(Szepessy Ignác)の像があります。
 
 
   
 


大聖堂への門を入ったところには、何体もの古い石像が置かれています。像には名前がついていませんが、やはり聖人の像なのでしょうか。
 
 
   
 
初期に創建された礼拝堂は、現在上の写真のように台座だけしか残っていません。この台座の地下には墓所(カタコンベ(katakombák))があります。  
   
 
礼拝堂の模型(上左)と地下にある埋葬室(上右)
 
 
埋葬室には彫像と聖書をもとに描かれたアダムとイヴのフレスコ画があります。(少し色が悪いですが遺跡保護のため完全空調となっていてガラス越しの撮影です。)  
    
 


大聖堂のそばには、聖シュテファン広場(Szent István tér)と名付けられた公園があり、:ケチケメートで生まれた作曲家であり、哲学者、教育家、民族音楽者であったコダーイ・ゾルターン(Kodály Zoltán)の銅像(右の写真)があります。
 
          
 


旧カズィ・カシム・パシャ・モスク
(Downtown Candlemas Church of the Blessed) Virgin Mary
セーチェニ広場にあって旧モスクと言われたけれど、なぜ十字架がドーム屋根にあるのか気になりました。
調べてみると、このモスクは、オスマントルコの時代の16世紀の半ばに建てられたイスラム教の礼拝堂でしたが、18世紀の半ばにハプスブルク家のよってペーチが解放されたときに、ミナレットは破壊されましたが、建物はそのまま残されたとのことで、現在はカトリックの教会として利用されています。
 
 
   
 


レオナルド・ダヴィンチの胸像

ジモスクのそばに建てられているこの像は、ルネサンス期を代表するイタリアの芸術家レオナルド・ダヴィンチの胸像で、なぜここに置かれているのかインターネットでいろいろ調べましたが、なかなか情報が出てきません。
   


フニャディ像(Hunyadi-szobor)

セーチェニ広場にあるこの騎馬像は、ルーマニア出身のハンガリー貴族であるフニャディ〈フナイヤーとも〉・ヤーノシュ(Hunyadi János)の像で、1440年代に数度にわたってオスマン帝国からの攻撃を撃破した人で、トランシルヴァニア公となり、いくつかの知事を受け持ったり国防にも寄与していました。
 
   
 


セーチェニー広場の中央には聖三位一体の像があります。
 
 
       
 
豚の丸焼き

ペーチを訪れたのは土曜日、セーチェニ広場では何やらイベントがあるようで、多くの出店が出店の準備中。このお店は豚の丸焼きをしています。
豚って太っているように見受けますが、内臓をとるとあんなに細身になるんでしょうか。
 
   
 


郡庁舎

セーチェニ広場に面して建てられているこの郡庁舎は、ペーチが属するバラニャ県の県庁舎で、セーチェニ広場に面して建てられており、1898年の建物で、建物の壁にはペーチに本店を構えてヘレンドやホロハーザと並んで有名な陶器の会社 ジョルナイ陶器(Zsolnay ceramics)で造られた陶器が貼られています。
 
 
   
 


市庁舎(左)と気象観測所(右)

セーチェニー広場に面して建てられている市庁舎は、18世紀にバロック様式で建てられたものです。
右の写真の気象観測所は、Meteorological stationと呼ばれており、「気象観測所」や「測候所」と訳されるようです。中をよく見ると製作されたのが1908年と記されており、デジタル式ではなく記録紙を用いて温度や湿度を記録しているようです。
 
 
   
 


ジョルナイの泉(Zsolnay Fountain)

セーチェニー広場の南側にある聖セバスチャン教会(Saint Sebastian's Church pecs)の前にあるこの噴水は、ヘレンド、ホロハーザと並んでハンガリー三大陶磁器と呼ばれるジョルナイ陶器で作られたもので、エオシン釉と呼ばれる独特の釉薬を用いて作られており、玉虫色がとても素敵な味わいを出しています。
 
           
 


ペーチ国立劇場(Pécsi Nemzeti Színház)

セーチェニ広場からキラーイ通り(Királyi U)に入って右側にあるこの国立劇場は、はじめi一本北側にあるマーリア通りにありましたが、建物の状態があまりよくなかったために再建することとなって、1895年にこの地に建てられたものです。
建物は、建築後100年を過ぎて老朽化が激しくなったため、1991年と2011年にリニューアルが行われています。
 
 
   



ペーチ駅

ハンガリー国営(MÁV)鉄道が運営する鉄道路線の駅で、この駅からブダペストまでは約4時間かかるようです。
 
       
旧市街にはメミ・パシャ浴場跡やシナゴークなど見るところはいろいろありますが、何せツアーで限られた時間での観光。ペーチ市内のレストランで昼食をとったのちに、午後1時過ぎ次の目的地カロチャに向けて出発です。  
 
 
 
 
 
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