コルドバ

セビリアのホテルの出発は午前9時半、いつもですと観光が始まっている時間ですが遅い出発です。といっても街中より外れたホテルですので朝の散歩をしても被写体になるものがありません。
ホテルを出発して約2時間でコルドバに到着です。
アンダルシア地方第3の街コルドバはグアダルキビール川沿いに発展した街で、古代ローマ時代から街の歴史は続き7世紀にはイスラムの支配下となりウマイヤ朝はコルドバを首都として13世紀のレコンキスタによるキリスト教による奪還までイスラム文化が栄えたところでした。
イスラムの文化が残るメスキータとローマ遺跡そしてユダヤ人街は1984年にユネスコの世界遺産に「コルドバ歴史地区」として登録されています。
 
ローマ橋
グアダルキビール川に架かる端の中で持つとも古くローマ時代にかけられたもので、正式には「バハーダ・デル・プエンテ橋」と呼ぶようです。
        
 
カラオーラの塔
12世紀末イスラムのムワッヒド朝時代にローマ橋を守るために造られた塔で、砦としての役割がありました。
 
   
プエンテ門
ローマ橋を渡り旧市街の入口となるこの門はアラブ時代には城壁であったところを16世紀半ばに造り替えたとのこと。
 
   
メスキータ

メスキータとはスペイン語で「モスク」の意味とのことですが、一般的には「コルドバの聖マリア大聖堂」のことを指している場合が多いようです。
もともとこのメスキータは785年にイスラム教の寺院として建設されたもので、10世紀の増築で数万人を収容できる巨大なモスクとなったようです。13世紀にレコンキスタによりコルドバが解放されるとキリスト教会に転用され、16世紀のカルロス5世時代にモスク中央部にゴシック様式とルネサンス様式の折衷型の教会が造られ
て、他の教会ではモスクの面影があるだけなのにここはモスクと教会が同居するという珍しい建築物となりました。
 
 
 
西側のファサード  
 
メスキータのミナレット
イスラム寺院の時代にはアミナールと呼ばれるこのこのミナレット、「アルミナールの塔」とも呼ばれており、レコンキスタ後は教会の鐘楼となり内部にいくつもの鐘が設けられ、塔の最上部にはコルドバの守護神である聖ラファエルの像がおかれています。
 
 
 
   
「円柱の森」と呼ばれ、モスク時代には「礼拝の間」であったメスキータの内部にはかつて1012本もの大理石の柱があったとのことですが、16世紀に教会が設けられたため850本になったとのこと。
 
   
アラバスターを用いた円柱
アラバスター(日本語では「雪化石膏」)とは大理石の一種で、良質のものは彫刻用素材として珍重されているとのこと。光を通しやすいこともありランプシェードに使われることもあるようです。
  
 
 
 
ミフラーブ(左)ミフラーフブ前の天蓋(右)
現在キリスト教の礼拝堂として用いられているメスキータですが、モスクの名残であるミフラーブ(中央の窪んだ所)がそのまま残されています。
 
   
キリスト教礼拝堂
マヨール礼拝堂というこの礼拝堂は、スペイン王カルロス1世(カルロス5世)により設けられたものです。
 
   
 
オレンジの中庭に面した廻廊と廻廊の壁に置かれた松の板。この板には幾何学模様が施されておりモスク当時の天井に使われていたとのこと。  
   
ユダヤ人街
メスキータの北側に迷路のように入り組んだ路地があります。この一帯は8世紀から11世紀にかけて繁栄したウマイヤ朝時代にユダヤ人が多く住んでいた所ですがレコンキスタ後の15世紀末にすべて追放されされたという歴史があります。細い路地の両側は白壁で統一されており、中でも「花の小径」と呼ばれるところは道幅2m足らず、奥行きもせいぜい100mあるかないかの袋小路となっているところですが、両側の壁には鉢花が置かれています。前に来た時はシーズンオフでしたので観光客もあまりいませんでしたが、まるでスリでも出そうな混雑具合、すれ違うのにも苦労するほどでした。
 
   
 
   
 
    
アルカサル

アルカサルはグアダルキビール川のそばにはかつてウマイヤ朝の要塞があったところに14世紀末に建てられた城塞で「キリスト教徒の王たちのアルカサル」と呼ばれているとのこと。庭園がきれいとの情報もありますが、あいにくと中には入らず城壁を見るだけです。
これならもう少し早くホテルを出発して中を見せてくれればいいのにと思いましたけど・・・
 
    
 
   
アルボラフィアの水車小屋
グアダルキビール川にあるこの水車小屋、アルカサル内の庭園、浴場等に水を引き込むため造られたもので、現在あるのは復元されたものですが、当時はひとつではなく水車群としていくつも備えられていたとのことで、イザベル女王が音がうるさく安眠を妨げると訴えるまで稼動していたようです。
 
   
コルドバからセビリアに向けて出発してから約1時間、車窓を見ているとなにやら遠くに光るものが見えてきました。集光型太陽熱発電所とのことです。
太陽光発電、いわゆるソーラーパネルを使ったものは数多く見られますが、太陽熱発電とは始めて耳にする言葉。
調べてみると2010年5月に稼動したこの施設は、タワーの周りに敷き詰められた反射鏡が反射する太陽光をタワーに集めて熱をため、この熱で蒸気を作りタービンを回して発電するシステムとか。

この発電所で3万世帯の消費分に相当する発電ができるようですが、雨が少ないアンダルシア地方ならではの試みのようです。
 
   

こちらはコルドバ郊外のメガ・ソーラー
 
   
   
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