エヴォラ歴史地区
リスボンのホテルを出発してから約2時間でエヴォラ（Évora）に到着です。前回訪れたときは11月、小雨の降る中での観光で寒さに震えながら観光していました。今回は快晴ではないですけど気温も25℃前後、まあまあの日よりです。 ここエヴォラはアンテレージョ地方の中心にある平野地帯にあって、ローマ帝国自体にはその支配下となり、テージョ川の流域にあることからシーザー(ガイウス・ユリウス・カエサル)が、"Liberalitas Julia"（肥沃なるジュリア)といったとされるほど肥沃な地帯であったようです。 町は交易路にあったことから成長を続けて4世紀には司教座がおかれるほど繁栄、8世紀から12世紀の半ばまでムーア人の支配を受けており、現在でもその特徴が残るほどとなっています。 レコンキスタ後のエヴォラは国王がしばしば滞在、重要な決定もここで行われたと伝えられており、また、1559年にはイエズス会によってエヴォラ大学が創設され、芸術家たちが集まりルネサンスの中心ともなっていました。 ポンバル侯爵によってイエズス会が1759年にポルトガルから追放されるとともに大学も閉鎖されると、急速に衰退をはじめといわれていますが、残されている歴史的建造物も多く、旧市街は1986年に「エヴォラ歴史地区」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。 尚、ここエヴォラには、1584年9月には、伊東マンショ(満所)達の天正遣欧使節団が立ち寄った場所でもあります。 駐車場を降りたところにあるプープリオ・デ・エヴォラ庭園内には、ヴァスコ・ダ・ガマの像があります。調べて見ると、亡くなる前の1519年から24年までの5年間、この地に滞在していたとのことであり、その邸宅(Casas Pintadas de Vasco da Gama) が現在でも残っています。
マヌエル王宮(Royal Palace of Évora ) 13世紀に建てられた修道院のあったところに、15世紀になってマヌエル1世がゴシック様式とマヌエル様式を融合した形の王宮を建てたもので、ヴァスコ・ダ・ガマが、ここでインドへの航海を命じられたと伝えられています。
サン・フランシスコ教会(Igreja de São Francisco ) 15世紀から16世紀にかけてゴシック様式とマヌエル様式を融合した形で建てられた教会です。教会正面の入口上部にはポルトガルの紋章を中心に、ジョアン1世を象徴するペリカン、そしてマヌエル1世を象徴する天球儀の彫刻があります。 また、隣接する人骨堂は、16世紀に瞑想の場としてフランシスコ会の修道士によって造られたもので、5000体分もの人骨が壁一面埋め尽くされていますが、チェコのセドレツにあるセドレツの全聖人教会の納骨堂と同じのようなものなのでしょうか。今回は、時間の関係で見学を割愛することに。
正面ファサードはシンプルです。		正面入り口の彫刻
教会内部の主祭壇の回りは大理石張り(左端)、内部の壁にはアズレージョが多く設けられています。
ローマ神殿(Templo romano de Évora) 街を見下ろす高台のディアナガーデンと名付けられた広場にあるこの神殿は、1世紀にローマ皇帝アウグストゥスを祀るために設けられた神殿で、現在は14本のコリント式の柱が残るだけです。 女神ディアナを祀ったとの俗説もあり、「ディアナ神殿」の名で多く呼ばれています。
		ロイオス教会(Igreja dos Lóios) 15世紀に建てられた教会で、ディアナ神殿のすぐそばにあり、1755年のリスボン大地震の被害を受けその後改修されているゴシック様式の教会です。
エヴォラ大聖堂（Sé de Évora） 大聖堂が最初に建てられたのは、ムーア人の支配から解放された12世紀末から13世紀のはじめにかけてで、その時はこじんまりしたものでした。その後13世紀末から14世紀半ばにかけて拡張され、更には14世紀にはゴシック様式の回廊が、16世紀初頭にはマヌエル様式のエスポラォン礼拝堂、18世紀にはバロック様式の主礼拝堂が加えられており、中世ポルトガルでは最大の大聖堂となりました。 この大聖堂内にあるパブオルガンでは、訪れた天正遣欧少年使節団の伊東マンショ達が演奏したという逸話が残っています。
		ジラルド広場(Praça do Giraldo)のサン・アンタン教会(Igreja de Santo Antão) 広場の北側にあるこの教会は、古いゴシック様式の教会があったところに、聖アントニオを祀るために1563年に建てられたものです。
旧市街の街並み
市内のレストランで昼食後、オビドスに移動開始です。
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