是川縄文館(2021.10.12撮影)

是川遺跡は、八戸市にある約500ヶ所の遺跡のうちの一つで、市内大字是川にある縄文時代晩期(3,200年前~2,400年前)の遺跡で、「是川石器時代遺跡』とも呼ばれており、国の史跡に指定されています。
遺跡は八戸市南東部を流れる新井田川沿いの標高10~30mの台地にあり、縄文時代前期・中期(7,000年前~4,400年前)に形成された「一王子遺跡」、中期(5,500年前~4,400年前)に形成された「堀田遺跡」、晩期(3,200年前~2,400年前)に形成された「中居遺跡」の3つを総称しています。
今回は是川縄文館を観光するだけで、遺跡そのものを見ることはできませんでした。機会があればも一度訪ね、遺跡の写真を撮りたいと思っています。
 
 
   
   
   
   
   
  飾り太刀
木製の刀の形をした道具に赤い漆を塗って作られ、両側や橋には小さな丸い穴があけられています。この穴には玉などがはめ込まれていたとみられています。祭祀などの行事で用いられていたと考えられています。
 
 
   
  木胎(もくたい)漆器
是川中居遺跡から出土したもので、重要文化財に指定されています。
トチノキをくりぬいて作った皿や鉢などに文様を彫り込み、黒や赤の漆を重ね塗りして造られています。
5,000年も前の古い時代にこのような高度な技術を持っていたとは驚かされますね。
 
 
   
  籃胎(らんたい)漆器
是川中居遺跡から出土したもので、重要文化財に指定されています。
 
 
   
  籃胎(らんたい)漆器
是川中居遺跡から出土したもので、重要文化財に指定されています。
 
 
   
  浅鉢型の漆塗り台付土器で、是川中居遺跡から出土したもので重要文化財に指定されています。
 
 
   
  漆塗り注口(そそぎぐち)土器
このような注ぎ口がついた土器は、縄文時代の草創期から作られていたと見られており、是川遺跡からは100点以上もの注口土器が出土しています。(重要文化財指定)
 
 
   
  展示されている鉢形土器や壺型土器はいずれも漆塗りとなっており、縄文時代晩期に作られたもので重要文化財に指定されているものばかりです。
 
 
   
  是川中居遺跡から出土した土製の装身具。これは耳飾りですが、この他に木や石を素材にして作ったりしており、首飾りや腕輪なども出土しています。(いずれも重要文化財指定))
でもこんなの付けていたら結構重いと思うんですけどね。
 
 
   
  香炉型土器
上半分が透かし文様のこの土器は、お香をたく香炉に似ていることから香炉型土器と呼ばれていますが、器には何かを燃やしたような跡は残っておらず、何に用いられてかと不明のようです。(いずれも重要文化財指定))
 
 
   
  いろいろな石器など
いずれも重要文化財に指定されている石器などで、矢尻に用いたとされている石鏃(せきぞく)、木や骨の切削や獣の皮なめしも土堀の道具などに使われていたと考えられる石箆(いしべら)、紐を通して首にかけて装身具として使われたと考えられる垂飾(すいしょく)、縄文時代に多く用いられた打製石斧なとがてんじされています。
 
 
 
     
  
重要文化財に指定されている漆塗り樹皮製容器の一部には制作者の指紋が残っています。
 
 
 
 
 
 
 
      
 
   
  発掘時の様子を撮った写真
右側の写真は3m、そして4メートルを超す大型の木柱が出土しており、トチやクルミの殻が見られます。左の写真は上にゴミ捨て場の様子、下には石斧や箆の出土状況を示しています。
 
 
 
   

合掌土偶

国宝に指定されているこの合掌土偶は、縄文時代晩期に作られたといわれる高さ約20cm、幅14.2cm、奥行きが15.2cmあり、是川遺跡と川を挟んで反対側にある尾張1遺跡から出土したものです、手のひらを合わせて合掌する姿が独特です。

下の写真は発掘時に撮られたものです。
 
 
      
 
     
     
     
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