ニトラ(Nitra)
 
スロバキアの西部にあるニトラの町は、7つの丘に囲まれた町で、5世紀の終わりごろにスラヴ人が居住しはじめ、9世紀の初めにはプリナビ公によってニトラ公国が建国されましたが、11世になってモラヴィア王国に併合され、11世紀にはハンガリー王国に、17世紀後半にはオスマン帝国の支配下、そして第一次世界大戦後にはチェコスロバキア領になるなど時代ごとに支配者が変わった町ですが、チェコとスロバキアの分裂に伴い。スロバキア領となりました。
町はスロバキアとして初めて教会が建設されたことで知られており、当時の建物は残されておりませんが、多くの教会や関連する建物が残る町です。
観光は、丘の上にある聖母被昇天教会からスタートです。
 
  
 
   
聖母被昇天教会(kostol Nanebovzatia Panny Mári)
聖母マリア教会或は嘆きのマリア教会とも呼ばれるこの教会は、ニトラの南東部にあるカルヴァリーの丘にあり、13世紀半ばにロマネスク様式で創建されたもので、現在の教会は、1728年に再建されたものです。
教会のそばには、ゴルゴタの丘を模した十字架の丘があり、麓から頂上に向かって13もの祠があり、その中にはゴルゴタの丘に登るキリストの姿が、時系列で再現されています。
   
 
   
   
主祭壇  
   
   
 
   
   
丘の頂上には磔にされたキリストの像があり、そのそばの祠にはキリストの降架の絵が描かれています。
 
     

丘の上からはにニトラの街並みが一望できます。
 
   
ニトラ城(Nitriansky hrad)
十字架の丘からニトラ城に向かいます。バスで約15分、ニトラの行政機関が入っている建物の所でバスを降ります。、地図ではニトラギャラリー(The Nitra gallery)と表示されています。(右の写真)
建物の壁に『ニトラ城(Nitransky hrad)500m』と表示された看板のところにあるアーチを潜って城の方向に歩きます。
   
 
     
  聖ペテロとパウロ教会(Kostol svätého Petra a Pavla)
アーチを抜けてすぐに右に曲がったところにあるこの教会は、17世紀に建てられたようですが、教会の壁にはペテロとパウロと思しき人の姿を描いたレリーフが掲げられています。
レリーフの下部にある文章では、このレリーフは、1663年にトルコ軍によって破壊された建物にあったもののようで、1943年に発見されてここに掲げられたようです。
 
 
     
プリビナ広場(Statute of Pribina the Prince)
聖ペテロとパウロ教会沿いに歩くとプリビナ広場に出ます。
広場の中央には、9世紀のはじめにニトラ公国を建国したプリビナ公(800-861)の銅像があります。
   
 
   
アトラス像
プリビナ広場の角にある建物にあったこの像、なんだと思って調べてみると、ギリシャ神話に登場するアトラス(アトラース)の像で、巨躯を以て知られ、両腕と頭で天の蒼穹を支えるとされており、それでこんな姿で建物を支えるように立っているようです。
 
 
聖三位一体柱
プリビナ広場の一角、ニトラ城の入り口付近にに建てられたこの記念柱は、ペスト記念柱も呼ばれ、ヨーロッパの町を歩くとよく見かけるものですが、17世紀後半にヨーロッパ各地で猛威を振るい、多くの犠牲者を出した、ペストの 終息を神に感謝する ために建てられたものです。
 
 
     
ニトラ城(Nitriansky hrad)
11世紀に創建されたニトラの司教の居城で、プリビナ公が造った要塞のところに設けられたもので、城内には、聖エメラム教会、聖エメラム大聖堂、司教邸があります。城は16世紀から17世紀にかけてオスマン帝国の侵入に対抗すべく要塞化が図られました。
当時の城への入口は、右の写真で見るように、現在のような石橋ではなく、当時の城でよく見かける、木製の跳ね橋構造となっていたようです。
城門の後ろに見えるのは、聖エメラム大聖堂の鐘楼です。
   
 
     
 
城門を抜けたところには城の様子を示す絵が掲げられています。(左)
高い城壁と三角形の稜堡が設けられており、中世のヨーロッパの城で用いられていた星形要塞(日本では函館の五稜郭や長野県佐久市の龍岡城など)の構造であったことがうかがえます。
右の写真は城の遺構のひとつで、どうやら物見の塔のようです。
調べてみるとこのほかにも城の遺構はあるようですが、お城大好き人間の私としては、見て回る時間もなくちょっと残念です。
 
 
    
聖エメラム大聖堂(The Cathedral of Sts. Emeram)
14世紀に最初の教会がゴシック様式で創建され、その後17世紀半ばに現在のバロック様式で改築されたものです。
   
 
   

主祭壇
 
パイプオルガン
 
   
   
天井のフレスコ画  
   
司教宮殿とヨハネ・パウロⅡ世像
ニトラ城の城主の宮殿にあたるのがこの司教宮殿で、宮殿前には、ヨハネ・パウロⅡ世の銅像があります。1995年に当寺のローマ法王ヨハネ・パウロⅡ世がこの地を訪れた記念で銅像が設置されたようです。
   
 
       

                  十字架の丘から見るニトラの街並み
 
 
        
午後3時半ちょっと前に次の目的地バンスカー・シュティァヴニツァに向けて出発です。      
       
       
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