オフリド
   
マケドニアの西南部にあるバルカン半島の大湖であるオフリド湖のほとりにある町オフリド、990年から1015年の短い間ではあるが第一次ブルガリア帝国の首都であり要塞でした。かつて360以上もの教会があったといわれるオフリドは監督主教都市として重要な文化中心地となり、大主教座がおかれていました。
町の高台にはブルガリア帝国の首都の時代に造られたサミュエル要塞の遺跡があり、また、11世紀から13世紀にかけて建立された聖ヨハネ・カネヨ教会(スヴェーティ・ヨヴァン・カネオ聖堂)、スヴェータ・ソフィア大聖堂、スヴェーティ・クリメント聖堂などがあって美しい景観のオフリド湖と併せて1980年に「オフリド地域の文化的・歴史的景観とその自然環境」として世界複合遺産に登録されました。


右は共和国広場
      
  9月も半ば近いというのに何故かアジサイの花が咲いています。  
      
  共和国広場から坂を上ってゆくと城壁が見えだしました。旧市街の入口です。
奥にはサミュエルル要塞がありますが、それとは別のようで地図を見ると旧市街を取り囲むように城壁が作られていたようです。
 
     
円形劇場
旧市街の南東面を向きオフリド湖の見える丘の上にあるこの円形劇場は、紀元前200年くらいに造られたというマケドニア唯一のヘレニズムタイプの劇場で、古代ローマ時代には闘技場として用いられていたようです。観客席の下の石積みは当時のままで数か所に出入り口があったのがわかります。
この遺跡は埋もれていたのが発見されたので、すぐそばに住宅街があるという他では見ない光景となっています。
 
   
     
サミュエル要塞
旧市街の丘の一番上に建てられたこの要塞はブルガリア帝国の皇帝で、オフリドを首都に定めたサミュエル(サムイル)によって10世紀から11世紀にかけて建てられたものですが、それ以前にこの地に要塞が建てられていたようです。
     
 
     
   
     
   
城壁から見るオフリド湖  
   
   
城壁から見るオフリドの街並み  
     
  聖クレメント教会(聖パンテレモン教会と紹介されていることもあります)
サミュエル要塞から坂を下りて湖に行く途中にあるのがこの教会で、893年に聖クレメントによって建てられました。教会の周りにはローマ時代の遺跡も残されており、このあたり一帯は初期キリスト教の教会などの複合施設であったようで、そばでは遺跡の発掘作業も行われていました。
 
     
遺跡のそばを通ってさらに坂を下ってゆくと視界が開けて聖ヨハネ・カネオ教会が 見えてきました。その先はオフリド湖です。
聖ヨハネ・カネオ教会は聖ヨバン・カネヨ教会とも聖ヨヴァン・カネオ教会とも表記されており、オフリド湖に面した岬の突端に13世紀に建てられたもので、1994年に公開された映画『ビフォア・ザ・レイン』で作品の舞台となっています。(内部は撮影禁止となっています。)
 
   
   
     
湖の岸辺に降りて小舟に分乗してオフリドの町中まで戻ります。上から見下ろすよりも湖から見る聖ヨハネ・カネオ教会も絵になります。  
     
   
     
   
     
   マケドニア国旗
赤地に8本の光を放つ黄色の太陽を描いた旗で、色は違いますが日本の旭日旗にちょっと似ていませんか。
      聖クレメント(クリメント)像
聖キリルと聖メフォディ)の弟子であり、のちにオフリドの主教となった聖人で、初めてスラヴ語で説教を行い、教育者として精力的に働き、膨大な生徒にスラヴ語の読み書きを教え、ギリシャ語文献のスラヴ語への翻訳、著作活動で多くの人を聖職者に導いたといわれています。
 
     
 
 
     
      
正午少し前にオフリドを出発、次の目的地ビトラに向かいます。      
        
        
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