古都トレド

スペイン中央部にあるラ・マンチャ地方の中心都市であるトレドはかつては西ゴート王国の首都であり、イスラム、ユダヤそしてキリスト教の文化が交錯した地で、「街全体が博物館」といわれており、蛇行するタホ川に囲まれた旧市街は古代ローマ時代、西ゴート王国、ウマイヤ朝そしてスペイン黄金時代にいたる2000年の文明が残されていることから1986年にユネスコの世界遺産に「古都トレド」として登録されています。
この地を訪れるのは2度目ですが前回訪れたときはトレド大聖堂の観光を始めたときに突然女房が「お父さんダメだ!」といってくずれ落ちる事態が発生、その日はトレド宿泊であったため急遽タクシーでホテルへ行き一日看病する始末。どうやら風邪の初期症状であったようで、飲ませた薬が効いたのか翌日には何事もなかった様子。とはいえ全く観光ができなかったことが心残りととなっていたので今回の16年ぶりの観光が楽しみな街でした。

マドリードを出発して1時間バスはトレドの街に到着です。街中まで車は入れないようで2時間ほど歩いての観光となります。
    

トレド展望台から見るトレド旧市街の全景(中央の塔はトレド大聖堂の鐘楼、右側の大きな建物はアルカサル)
 
        
トレドの闘牛場
バスの中から撮影
    
歩き出して約20分ようやくトレド大聖堂の鐘楼が見えてきました。
 
 
トレド大聖堂
正式名称が「サンタ・マリア・デ・トレド大聖堂」は1226年に建設が始まり1493年に完成したゴシック様式のカテドラルで、フランスはブルージュのサン・テチェンヌ大聖堂を模して造られたといわれていますが、ムデハル様式も取り入れたスペイン独自の特徴を持っています。
   
     

鐘楼(高さは90mあります。)

ライオンの門

廻廊
 
 
 
主祭壇(木彫りの彫刻に金箔が張られキリストの生涯が描かれています。右は拡大ですが手持ち撮影のためチョットぶれています)  
   
微笑みのマリア像
教会内にあるマリア像はほとんどがキリストの受難を憂う顔となっていますが、この像は珍しく笑顔になっています。
 
   
 
トランスパレンテ
主祭壇の裏側にあるこのトランスパレンテは透明なという意味のある言葉で聖餐用祭壇とのことですが、祭壇の上部は明かりとりのついた天井となっています。
 
    
聖堂内には天井から防止がいくつもぶら下がっています。現地ガイドの話ではこの帽子の下には帽子の持ち主である聖職者が眠っており、帽子が落ちたときに聖職者が成仏できるとのことですが、これだけ数多くの帽子があるということは死後何年経っているか知らないけど成仏できずにどこかさまよっているのでしょうか。
 
   
聖体顕示台
聖体顕示台とはカトリック教徒が行う聖体賛美(降福)式での聖体行列や公開で聖体の礼拝を行うときに聖体を納めて顕示するために作られたものですが、この顕示台はコロンブスが新大陸発見の際に持ち帰った金を使って16世紀に造られたものとの
 
   

ムデハル様式で造られている天井には金細工が施してあります

聖歌隊席上部の彫刻
 
   
サント・トメ教会
モスクを改造して14世紀に建てられた小さな教会で、中には宮廷画家として活躍したエル・グレコが描いた「オルガス伯の埋葬」があることで知られています。なお、内部は撮影禁止となっています。
 
   
サン・フアン・デ・ロス・レージェス修道院
ゴシックとムデハル様式が混合している修道院で、15世紀末にトロの戦いに勝利したことを記念して建てられたもの。
 
   
サン・マルティン橋
タホ川に守られているトレドの旧市街に入るには橋を渡らなければなりませんが、当時は東側にあるアルカンタラ橋と西側にかけられたこのサン・マルティン橋2ヶ所しかなく堅固な石橋の両側には橋塔があり二重の防御が施されています。
 
   
 
        
 
   
トレドの街の観光を終わり昼食後は最後の観光地プエルト・ラピセとカンポ・テデ・クリプターナに移動です。
 
 
 
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